<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+kabuki photo

歌舞伎座入口の「鳳凰」

+RECENT COMMENTS
+RECENT TRACKBACKS
舞台裏おもて―歌舞伎・文楽・能・狂言
舞台裏おもて―歌舞伎・文楽・能・狂言 (JUGEMレビュー »)
山田 庄一, 大藏 彌太郎, 吉田 簑助, 岩田 アキラ
<< 十月花形歌舞伎 染模様恩愛御書 細川の男敵討 | main | 壽初春大歌舞伎(大阪松竹座) >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
元禄忠臣蔵 第一部
今日は一転「真山歌舞伎」。真山青果さんの歌舞伎が「新歌舞伎」だとすると昨日の歌舞伎は「なに歌舞伎」と表すればいいんですかね、やっぱアレですか、アレ。出演者のみなさんがこぞって「僕は違いますけど」と否定している…。

とチャリがけはこのくらいにして、なかなか見応えのある群像劇になっていました。特に舞台が赤穂に移って吉右衛門さんが出ていらっしゃるまでの江戸での展開を引っ張ったのは歌昇さんの多門伝八郎の力演だったと思います。歌昇さん、公式サイトできたんですね♪上のリンクをクリックするとプロフィールのいちばん下にサイトへのリンクができてます。

元禄忠臣蔵データファイル
元禄忠臣蔵データファイル

というわけで長めではありましたが、かなり楽しめました。それと、忠臣蔵ファンの友人と行ったところ、番附に収録されている忠臣蔵関連のデータの充実ぶりに目を丸くして喜んでいました。以下いつものようにダラダラと…(汗)。
一.江戸城の刃傷

けっこう拍子抜けする導入です。真っ暗ななか叫び声で内匠頭(梅玉さん)が吉良に斬りかかったことがわかり、幕があがって照明がついたときには、事態を知って城内パニック、の図になるため。

一幕はラストも切腹でたっぷり見せたりせず、覚悟を決めた内匠頭が桜の散るなか立ち尽くし、影ながら見送ることを許された片岡源五右衛門(信二郎さん)が号泣するなか幕がおりてしまうんですよね。

梅玉さんの内匠頭は自分が吉良を討ち損なったことを知るとなんだか淡々としてしまって、透明すぎる感じがしました。その透明な感じが梅玉さんには合ってるかな、って思いましたけど……。五万石の家が間違いなくお取り潰しとなり家臣が路頭に迷ってしまうことなどまで思いが追いついていってないというか、もうそこは突き抜けてしまっているというか。

なので、視線はあくまでそういう「沙汰」が下ったのはなぜか、という納得のゆかなさを吟味役の1人であった歌昇さんが問題提起する、という形で展開します。

多門(おかど)は最初からこだわりを持って吟味していて、内匠頭を止めた梶川への「事情聴取」でも、のっけから「刃傷」ということばをつかったのに対し「刃傷と喧嘩は異なる。どちらかはっきりしないのに軽々しく『刃傷』と言ってはならない」と言っています。また、吉良が応戦しなかったことに対しても武士らしくないと疑義を呈しています。

さらに、即日切腹はやむなしとしても庭先で切腹させるのは大名の最期としてふさわしくない、ととにかくツッコミまくってくれます。

とにかく事態を収拾したい♪という思惑で内匠頭が命を落としていく、ということをじっくり見せてくれたと思います。

二.第二の使者

舞台は赤穂に移り、いよいよ吉右衛門さんの内蔵助が登場。ここではお家のお取り潰しかどうか、という瀬戸際にあってのリスクマネージメントに関する内蔵助vs.大野九郎兵衛(芦燕さん)&奥野将監(東蔵さん) というところからスタート。内蔵助への信頼と「昼行灯」への不安、さらには使者の到着でお取り潰し決定、殿はご切腹、吉良は軽傷、と浅野家にとって最悪の知らせがもたらされて一同慟哭、となります。

東蔵さんの大きな立役は初めて観たかな……。なんとなく声の出し方とか急いで歩いていくときの様子が女方さんっぽいと感じます。先月文楽で通しで観てたのに大野九郎兵衛(本名)→斧九太夫 への変換ボタンに気づいてませんでした…orz

今月も種太郎さん(写真がふ、古過ぎ…)奮闘〜。大石の息子、松之丞(のちの主税)。台詞もたくさんあるし、父に諭されて涙したりする場面などもありますが、安心して観ていられるし、14歳の少年なりに父を思い、浅野家を思う感じも伝わってきて、好演。このお役、来月は愛之助さんか……w

三.最後の大評定

先月の歌舞伎座の「引窓」で階段をのぼる足取りがちょと怪しかった以外は驚くべき若さと感じた富十郎さん、今月も驚異的な若さの井関徳兵衛。吉右衛門さんと幼なじみと言われてまったく違和感がないどころか声のハリなどはむしろ吉右衛門さんのほうが老成してる?みたいな。実際は富十郎さんは吉右衛門さんよりも15歳も年上の今年77歳なのに。

歌舞伎おそるべし。

息子の紋左衛門は隼人さん。声変わりで安定した声が出ないのか、たたずまいや戸惑いなど、台詞のないときは問題ないんだけど、声を出すときちょっとしんどそうでした。松之丞と同い年、という部分で種太郎さんのほうが完全にお兄さんなので、一緒の場面はなかったのですがそこで説得力に欠けてしまっていたのがちょっぴり残念。

けれど、こういう大きな舞台を踏めるってきっと幸せなことだと思うので、最後までガンバレ〜と応援していました。

7月の歌舞伎座でつい舞台写真まで買ってしまった京妙さんが本日もお美しいご新造姿で登場、緊迫する場面がずっと続いていたので井関とのやり取りやその後のおりく(芝雀さん)とのやりとりにほっとしました。

芝雀さんのおりくはもうちょっと強気でもよかったかもしれないな〜。大野が内蔵助の屋敷にいると知ってやってきた岡島(松江さん)を追い払ったときの気迫がちょっと優しかったかも。

このあたりから吉右衛門さんが「昼行灯」からトップギアで仲間を募り、城の明け渡しを決め、吉良を討つとはどういうことなのか、ということを評定に残った赤穂の侍たちに告げてゆく、と一種豹変してゆくところへと移っていきます。

井関父子の存在価値っていうのは、内蔵助の背中を押したのか、内蔵助の背中に「やらねばならぬ」という重圧となって残ったのか、などなど考える余韻もあり。

この幕は本当にあっという間でした。

初心者的(というかテレビ的な見方か…)感想としては、座頭が変わってしまうから仕方ないとはいえ、今月切腹した内匠頭の梅玉さんが来月綱豊卿として再登板とか、今月源五右衛門だった信二郎さんが12月は磯貝とか、ストーリーは連続してるんだけどお芝居としては別個のものとして観ないといけないっていう切り替えがちょっと難しいです。

もちろん内蔵助が月替わりだからそのことを言い出すと破綻しちゃうんですけどw 来月、坂田藤十郎さんはどんな花里での遊びっぷりを見せてくれるのか、楽しみにしようかと。

以下余談。

番附を買ったら3月の「當世流小栗判官」から6、7月の歌舞伎鑑賞教室(7月は行けなかったけど)、8月の「音(ね)の会」や「稚魚の会」の写真が満載でした。これで800円はお安い〜。特に「小栗〜」の写真が見られたのはかなりうれしかったです。

それと、国立の番附のウレシイところはいわゆる「素顔写真」だけじゃなく出演する主な役者さんの近影つきの短いインタビューが掲載されてるところ。種太郎さんや隼人さんなど育ちざかりで面差しが刻々と変わっていく若者なんかはこの写真が重要。

というわけで見ていったら桂三さんの素顔写真と近影のギャップに軽く引きましたw お年は1950年生まれだからそれほどお年じゃないはずなんだけど……。

今回は国立劇場の開館40周年記念、ということで、それぞれの役者さんが自分と国立劇場にまつわる思い出をさくっと語っているのがイイです。劇場ができた年に生まれた、という松江さん、子役時代からよく出ていて楽屋で遊ぶのが好きだったという亀寿さん、こけら落としの「寺子屋」で小太郎を演じたという歌昇さん、楽屋の広さに感動したという彦三郎さんなどなど、楽しく読みました。
| 国立劇場 | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 23:41 | - | - |









http://kabukinote626.jugem.jp/trackback/240